うなぎの現状

04 日本のうなぎ養殖場

現在、店頭で販売される国産うなぎは99%以上が養殖です。その養殖とは、稚魚(天然シラスウナギ)を捕獲し、養殖場の池に入れて半年~2年で成魚に育てたものであり、卵からの完全養殖は未だ確立されていません。日本のなかで最も多くうなぎの養殖をしているのは鹿児島県となっています(図8)。
なお、稚魚が大量に捕獲できるのは、例年冬から春にかけてとなっています。

図8 各県のうなぎ養殖(水揚げ)量の統計
出典:平成28年漁業・養殖業生産統計,農林水産省

図9 稚魚(天然シラスウナギ)漁の風景

05 うなぎ完全養殖は目前!

完全養殖とは、卵から人工的にふ化させたうなぎを親として産卵させ、次の世代の親まで育てる養殖技術のことです(図10)。
(独)水産総合研究センター(現:水産研究・教育機構)において、2010年に世界で初めて完全養殖の実験が成功しました。ただし、大量生産にはいくつか課題があり、その主なテーマは、(1)良質卵の大量採卵、(2)レプトセファルス→シラスウナギのエサ、および(3)飼育方法です。
現在、 国内では、国立研究開発法人 水産研究・教育機構および(株)いらご研究所の2箇所で完全養殖の大量生産の実験が進められています。

図10 うなぎ完全養殖のサイクル
出典:FRA NEWS「ウナギ研究の歩み」(国立研究開発法人 水産研究・教育機構,2017.3)

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